②ギャップこそが、あなたの価値になる
「普通」の中に隠された「再現可能」な強みを見つけ再現していくととても大きな強みになります。
「ちょっと変わっているね」と言われたことありませんか?それって私は、最高のほめ言葉だと思っています。「それ、普通じゃないよね」と言われたらそれも最高のほめ言葉です。
みんなと同じように振る舞えない。みんなの意見に同意できない。自分だけ何かがズレている──そんな経験、きっと誰にでもあるはずです。
でも、その「ズレ」は本当に「マイナス」でしょうか?
私たちの会社はとても個性的な方々であふれかえっています。私自身、この会社を経営する中でつくづく思うのです。
その「普通じゃない人」の中に、とんでもない価値が眠っている、と。
うちの会社には、ギャップだらけの「名人」がたくさんいます。うちの会社の人たちは、まあ個性的です。
几帳面な人もいれば、整理整頓が壊滅的な人もいます。
一見、仕事ができる人に見えないのに、ある瞬間だけ「神がかる」人もいます。
たとえば——
Sさん。
仕事の納期をよく忘れます。書類の管理も正直ぐちゃぐちゃ。けれど、カメラを手にすると別人になります。彼の撮る写真は、こちらの意図を越えた「世界観」になって返ってくるのです。
Tくん。
会話は少しズレていて、隅々まで全部説明してしまうタイプです。よく聞き返されるてもいます。でも、契約書や規約の「違和感」に関しては誰よりも敏感。細かすぎるチェック力で、法務担当になりました。
経理のJ子さん。
お金の扱いには冷静沈着。1円も1億円も同じテンションで処理します。でも、猫の話になると目が輝く。急に饒舌になり、別人のような笑顔になるのです。
この「振れ幅」が、彼女の感情センサーとして経理チームに温度感を与えてくれています。
私は、このギャップの正体は、散布図のX軸とY軸での外れ値、あるいはそれでは見つけにくいZ軸の「外れ値」であると考えています。
あるとき、私は社員たちの血液型を調べてみました。
なんと採用チーム7人中5人がB型。一般的な割合とは明らかにズレています。
統計的に見ても、T検定レベルで有意な「偏り」です(笑)
もちろん、血液型と性格の相関は科学的には否定されています。けれど、この「ズレ」が個性となり、組織にユニークさをもたらしているのは事実です。
私はよく、スキルや性格を「2軸」で評価します。
X軸:論理性
Y軸:共感力
この2軸で測ると「平均」になる人も、Z軸(=突出した一点)を加えると、いきなり主役になります。
たとえば「すべて平均点。でもなぜか“漢字テストだけ全国1位だった」人。
その一点こそが、Z軸的な「再現できる強み」なのです。
ギャップは「再現可能な強み」の原石
私たちは「バランスよくできること」を良しとしがちです。けれど、人生を動かすのは平均より偏りです。
話すのは苦手だけど、図解は神レベル
雑談できないけど、観察メモは異常に細かい
忘れっぽいけど、契約書の誤字脱字は誰よりも見つける
このギャップを「解釈」をして仕組みにしていくことで、それは再現性になります。
【再現性のための3ステップ】ギャップを“らしさの型”にする
① 解釈する:「ズレ=弱点」から「ズレ=才能」へ書き換える
最初に大事なのは“自分のズレ”の捉え直し。
「苦手」だと思っていたことも、視点を変えると可能性になる。
例:「話が脱線しやすい」→「場の空気を読みながら思考が飛ばせる=企画発想に向いてる」
② 磨く:あえて“そのズレ”を伸ばしてみる
普通に戻そうとせず、ズレを極端に磨いてみると、意外な才能に変わる。
例:「完璧主義すぎる」→「細かさを活かして“設計マニア”へ」
③ 仕組みにする:再現可能な方法として活用する
ズレを“活躍のパターン”として、行動や仕事に落とし込む。
例:「一人で考えるのが得意」→「毎朝1人で戦略メモを書く」など
私自身も、「ズレ」から始まりました。私は今でこそ経営者ですが、小さな頃から人数が増えるととたんに口数がすくなくなるタイプでした。また、「数字」が好きでしたが、人の心を読むのが苦手でした。
営業が苦手で、「自分は経営者向きじゃない」とすら思っていたし、実際、あるセミナー会社の社長のための適正テストで「経営者として不適格」という結果がでたこともあります。
けれど、そのズレが「経営×データ活用」というスタイルを形づくってくれたのです。
まとめ:Z軸=あなたの「らしさの爆発点」
「特に得意なこともない」「全部ふつう」そう思っている人ほど、Z軸の外れ値を見逃しているかもしれません。再現性のある未来は、「正しさ」ではなく「らしさ」の中にあります。自分だけが「変だ」と思ったその瞬間が、人生を変える入り口になるかもしれないのです。
あなたの外れ値が、あなたの価値になる。それを活かす未来を、偶然ではなく再現していきましょう。
次回予告
👉 ③ がんばらずに結果が出る法則を見つけよう
努力をやめよう、という話ではありません。
努力しなくても結果をだせる「法則」こそが、再現性を生み出します。